第72回不具合対応ブログ(圧力不具合2)

第32回不具合対応ブログ(圧力不具合)にてシール部の不具合や油圧配管に気泡が発生して圧力低下を引き起こす事例を紹介した.ここではそれらと異なる原因について触れる.

 機械ユニットのトルクが低くなる現象が発生し,ユニット部品,作動油共に調査したが全く異常が無かった.そこでピストンのリザーバータンク内にエアが混入し,油圧が立たないのではと考え調査した.ユニットを分解してガスを慎重にガス分析の袋に取り込み分析をかけた.そこで得られた結果は水素ガスの発生であった.ユニット組付け時にどこからも水素を取り込むことはないので,作動油からの発生を疑い,作動油(潤滑油)に使用状態の温度をかけると水素が検出された.なぜ作動油から水素が発生したかを調べてみると,油の耐熱性を向上させるために水素クラッキング(注1)が行われていることが推定された.そこで潤滑油を別のものに変更したところトルク低下はなくなった.

 特に油圧系が狭く閉じられているような機械を使用する際にはこの現象が発生する可能性があるので覚えておいてほしい. 注1:水素クラッキング(水素化分解・ハイドロクラッキング)とは、原油から得られる重い油分を高温・高圧下で水素と反応させ、分子構造を分解・組み替えて高品質な基油(ベースオイル)を製造する高度な精製技術.

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