第70回不具合対応ブログ(強度見積ミスによる不具合)

部品に使われる金属の強度は一般的に力が加わって変形し元に戻らなくなる引っ張り強さの降伏点を基準として考えるが,使い方によって基準が異なるので整理したい.

  • 躯体,構造体

応力が繰り返しかかっても元に戻る前提の躯体や構造体の場合は降伏点を基準に安全率をかけて使用する.鉄の場合の多くは確実な弾性域があるので降伏点までならばひずみは残らないが,鉄以外の金属(アルミ,銅等)は明確な降伏点が無いので0.2%耐力の値を使用する.気を付けたいのは0.2%耐力近くの応力がかかった場合,0.2%のひずみが生じることを前提に使用するということである.また鉄であっても設計や規格の基準として一貫した安全側の値(再現性のある値)を定義するため0.2%耐力を基準として用いる場合がある.

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  • 建材

基準強度(F値)」がもっとも重要な指標になります.F値は、金属材料の「降伏点(または0.2%耐力)」と「引張強さの70%」のどちらか小さい方の値として定義されます。

  • ネジ

 JIS規格などで定められた「強度区分」という2桁の数字(例: 4.8、8.9、10.9)によって表されます.左側の数字(小数点前×100):公称引張強さ(N/mm²)を示します.右側の数字(小数点前×小数点後×10):降伏点(または耐力)の割合を示します.

<強度区分の見方(例:8.9の場合)>

8 × 100 = 最低引張強さ約 800 N/mm²(ねじが引っ張られてちぎれる限界の強さ)

引張強さに対する、塑性変形(元に戻らなくなる限界)を起こす応力の割合(8 × 0.9 = 90%、つまり800 × 0.9 = 720 N/mm²まで耐える)

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