第74回不具合対応ブログ(予兆2 視覚)

前回五感の中で視覚の感覚が一番であることをお伝えした.この能力をどのように点検時に加味して異常チェックをするかについて取り上げる.

  • 環境整備

 照明を改善することが重要であることに前回言及したが,どのように整備するかについて過去国内外の多くの工場を見て回った経験からいくつか肝になる点を紹介する.

 コンビニに行かれて照明が明るいと感じられる方が多いのではないか.売場・陳列棚: 1,000~1,500 lx(JIS推奨基準では物販店全般で500~1,000 lx),レジ・手元: 750~1,000 lx(正確な金銭授受や作業のため)である.これに比べて工場は労働安全衛生規則で精密な作業: 300 lx 以上普通の作業: 150 lx 以上粗な作業: 70 lx 以上 となっているが,これはあくまで最低限の労働環境であって,JIS Z 9110 / Z 9125(快適・高品質を保つ推奨値)においては,超精密作業・外観検査: 1,500 ~ 2,000 lx(電子部品の組み立て、色の重要な検査など)精密作業・細かい視作業: 750 ~ 1,000 lx(細かい機械加工、印刷の校正など)一般・普通の製造作業: 300 ~ 500 lx(一般的な組み立て、梱包、加工など)粗作業・倉庫: 100 ~ 200 lx(荷役作業、大型機械の操作など)になっている.これはあくまで作業ベースの推奨値であるので,特に一般・普通の製造作業はこの基準内であると不具合を発見するのには適していない.ワンランクアップの750 ~ 1,000 lxにすればより不具合が見つかる確率はアップする.国内の工場と比較して特に欧州の工場は全体が明るく,工場管理者がいち早く以上を検知できる状態になっている.

 電気代がと心配されるが,採光を工夫し,天窓の入光からレイアウトを見直すことも考えていただきたい.また,初期投資が必要であるがLED照明への切り替えも一手である.

  • 観察

 観察をどのようにするかはマニュアルに無い場合がある.どこを見るかに重きを置かれているからである.最初に心がけることは全体を俯瞰することである.木を見て森を見ずになっては,全体の中の変化点を見逃してしまう.工場全体を視野に入れながら重点個所をチェックする.何か違和感があったら,いつもと違う変化が視野に入ったかもしれないので,必ずその地点にとどまり異常が無いか見まわすことを習慣にしてもらいたい.きっと何か見間違いだとスルーするとか,チェック個所ではないので関係ないなどとは決して思わないでいただきたい.欧米系の工場でありがちだったのは,チェック個所は完璧だと胸を張って報告されたが,それ以外の個所でいろいろ不具合を指摘する機会が何度もあった.国内で多かったのはリソーセスが不十分で抜けがあるケースである.改善は徐々にされているが,不十分さが解消されない.思い切った改善策を打ち立てていただきたい.

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