第59回不具合対応ブログ(接着不具合2)
接着不具合については第29回不具合対応ブログで,前処理と接着剤の濃度,塗布厚ばらつき,接着前処理時間・温度,塗布ガン目詰まり,接着圧力・時間・温度,について取り上げた.実は接着剤の接着メカニズムは現在においてもよくわかっていない.それでも経験と実績によって接着剤は当たり前のように使われている.昨今では異種材接合や,生体接着材としても使われるようになってきた.今回は接着剤用途における不具合をまとめた.
- 弾性接着剤
変形や振動がある部位にゴム系などの接着剤を用いることがある.しかし熱・水分・経年劣化による粘弾性の低下によりはく離現象が発生する.特に接着部位の負荷応力の見積もりが不十分である場合が多い.応力状態が不明な場合は事前に実際に使う条件での耐久試験を実施する必要がある.また,油中で使用される場合は界面はく離が発生しやすいので気を付けたい.塗布ムラがある場合は当然接着力が低下するのではがれやすい.ムラなく塗布するにはある程度経験が必要であり,ベテランからの伝授が無い場合は事前に練習を重ねた後に塗布されたい.
- 液体シーリング剤
液体シーリング剤(液状シール剤・液体ガスケット)は、配管のねじ部や機械の接合面の隙間を埋め、水漏れ・油漏れ・空気漏れを防ぐための塗布型の密閉剤であるが,ここで取り上げる.脱脂などの前処理はされている前提でも,工場内のオイルミストの量や湿度によって剥離が発生する場合があるので塗布環境には十分留意されたい.また,適正な量を均一に塗布しないとシール漏れやシール材のはみだしによる別不具合の発生の可能性があるので上記と同様に塗布作業者は十分留意されたい.また,シールされるガスや液体,潤滑油の種類やグレードが変更になるときは事前に漏れが発生しないか評価して確認する必要がある.例えば粘度グレードと添加剤が同じ潤滑油に変更するので事前評価は必要ないと判断はできない.なぜなら基油のブレンド比を変更して粘度グレード同等としても,より低粘度の基油を新たにブレンドする場合や,パラフィン系基油からナフテン系基油に変更した場合にシール性が異なる可能性がある.

