第54回不具合対応ブログ(不具合対策 表面性状改善)

これまではどのような不具合が発生してどのように対策するかについて取り上げてきた.今回は対策手法の1つである表面性状改善について,より詳細に取り上げる.表面性状改善方法といってもその目的,保有設備,納期,費用対効果によって様々な選択肢があるが2つのケースについて以下にまとめた.

  1. 損失トルク低減の対策

機械の損失トルクを低減することで損失エネルギーを低減したい場合,表面粗さを小さくする手法が有効である.旋削,ブローチ工法であれば加工ピッチを小さくすることも有効である.またバレル工法や研磨工法が採用されることも多い.表面硬化も狙うバーニッシュ工法(第26回不具合対応ブログ)を選択する場合は材料が生材や硬度が小さい材料でないと加工できない.また,研磨工具も弾性研磨工具を選択してより平滑を狙うものもある.さらに,より粗さを小さくしたい場合は,研磨剤での仕上げ研磨や化学研磨を選択する(費用大).ただし,単純に粗さを小さくすると焼付きが発生しやすくなるので注意が必要である.これについては今後ブログで取り上げる.

  • ピッチング発生低減の対策

表面起点の原因に限るが,これまで旋削やブローチ加工において細かく仕上げればピッチング発生が低減できると言われてきたが,実は表面起点になる山の大きさが小さくなるだけでピッチング低減につながらない(重要).以下は早稲田大学の松本將先生の図であるが,右図にあるように表面起点の場合はサイズの影響がない.従って,弾性研磨工具を用いる等で粗さを小さくする際にプラトー面(台形形状)等にしていくことが重要である.

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