第60回不具合対応ブログ(摩耗その6 キャビテーション摩耗)

このキャビテーション摩耗(キャビテーションエロージョン)は摩耗現象の中で実際に物と物が接触せずに表面が摩耗する現象の1つである.エロ―ジョン:壊食(かいしょく)とは,液体の中での気泡の発生と消滅(キャビテーション)や,土砂などが原因で,金属などの材料の表面が削られて壊れる現象のことです.

ここまで説明してもこの現象はわかりにくい.なぜならなぜキャビテーションが発生するのか,そのキャビテーションというのはただの泡であり,その泡がなぜ摩耗を引き起こすのか結びつかない.以下にどのように理解し,不具合現象とどう結びつくか私見を述べる.

  • 泡の破壊力

泡は数千から1万気圧に達する衝撃波や高熱を瞬間的に発生させ,頑丈な金属さえも削り取るほどの強大なエネルギーを持ちます.ということは石鹸の泡はそんな力を持っているのか,という声が聞こえてきそうであるが,そのとおりである.泡がはじけるときの大きな力を出すということである.直近ではナノバブルのシャワーがもてはやされているが,まさしくこの力を利用しているとされている.金属に対して摩耗まで至ることが本当にあるのかという疑問も出るが,以下の文献で金属硬さとの関係が示されている.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/qjjws1943/57/1/57_1_5/_pdf/-char/en

  • キャビテーション摩耗が発生しやすい部位

 キャビテーション摩耗は,圧力が急激に下がり気泡が消える場所,主にポンプの羽根車(インペラ)、配管の内側,バルブの周辺などで発生しやすい.特に気を付けたいのは,曲がり角や弁(バルブ):流れが急に変わりやすい場所である.例えば曲がり角においては圧力が解放されることによりキャビテーションが発生し,つまり出口付近で摩耗が発生する.

見た目は発泡スポンジやハニカム(蜂の巣)のようなギザギザ・ザラザラした外観になる.相手との摺動痕が無いことも目安になる.よく腐食摩耗とも間違えられるが,腐食の場合は変色を伴うので違いが分かる.まずは,その現象がキャビテーションによるものであると特定することが最も重要である.

  • 対処方法

まずキャビテーションが発生しないような設計に変更することを検討する.配管であれば曲がりを緩和したりする.次に材料を変更する,または熱処理して材料硬度を上げる対策が有効である.さらに樹脂コーティングや樹脂化も可能であれば検討する.

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