第69回不具合対応ブログ(浸炭処理不良による不具合)
第52回不具合対応ブログにて,浸炭処理した特殊鋼について触れたが,今回は浸炭処理の不良による不具合についてさらに詳しく紹介する.
- 浸炭深さ不足
浸炭処理不良の中で多く発生する不具合である.浸炭炉になるべく多くの部品を並べてコスト削減したいので,処理時間が不十分であったり,部品を詰め込みすぎで発生する.必ず浸炭深さの確認用テストピース(試験片)は、実際の製品と同じ熱処理炉に分散し同時投入して確認する.また,複雑形状の部品は全体に浸炭処理が入っているか要所要所浸炭深さを測定する.浸炭不足が生じると高負荷時に部品にクラックが生じる.
- 浸炭異常層
高硬度を狙ったCp値アップ,炉内雰囲気の管理不足,鋼材の成分比の変更,などによって表層が脆くなってピッチング疲労強度が低下する.どうしても条件を変えたくない場合はショットピーニングを実施して表面の異常層を除去するとともに表層の硬度を上げる.もしくは真空浸炭炉に切り替える.

