第30回不具合対応ブログ(軸受多角形摩耗)

製品や製造機械の軸受部等で発生する摩耗現象で,振動等の発生で分解してみると確認されるが,軸受部の分解は破壊が伴うので発見しにくい.またグリスアップで延命されたりするので発見まで時間がかかるケースもある.以下に事例を示す.

 ある製品の軸受部品で振動が発生する不具合が発生した.当初は振動発生原因がわからず,他の系が原因とも考えられたが,軸受部品を新品に交換すると振動が収まることから軸受部品を分解確認した.目視で確認しても軸受部の焼付き等の発生はなく,見た目は異常が無いと考えられた.そこで不具合発生原因究明は暗礁に乗り上げ時間が過ぎていった.しかし,軸受部を拡大観察してみると部分的にところどころわずかに摩耗しているのではないかと推察された.そこで初めて表面形状を測定すると細かく定期的に摩耗していることが判明し,多角形摩耗していると結論付けた.この結論に至るまでかなりの日数を要したのは,これまでこの部品で多角形摩耗を経験したことが無かったためである.その後,設計面,材料面等をいろいろ検討した結果,油剤を変更することによって対策完了した.

なぜこれまで発生していなかったのにこの時点で発生した要因であるが,系の剛性がこれまで高かったことによるのではないかと推定する.それが軽量化,低コスト化への時代の要請が進んだことにより,剛性が臨界点を超えてしまったのではないか.そこでは設計面の変化点があったが,そのことによる系全体への影響まで考えが及ばなかったことで不具合につながったと考える.

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