第29回不具合対応ブログ(接着不具合1)
接着の不具合は多くの製品に発生する.その接着の種類や製品の違いによって不具合原因は千差万別である.その中の数例について以下に示す.
1つ目は前処理が不十分であったため接着強度が不足してしまったという事例である.ワークの接着強度を確保するため表面をブラスト処理や,化学処理をして狙いの表面粗さを確保する.この時重要なのは脱脂,洗浄工程である.ワークは接着工程の前は旋削等の加工をして,必要な場合は防錆処理のため油分を加えたりもする.その状態では接着できないので脱脂工程,湯洗,水洗,乾燥処理をする(工程によっては脱脂だけの場合もある).この時の脱脂が不十分であったため接着の不具合が出る.これはワークの種類,前工程で使用される油性剤,脱脂条件,脱脂剤の種類,交換頻度等のそれぞれについて要因の洗い出しが必要になる.さらにブラスト処理の場合,投射時間,角度,使用粒子の種類と交換頻度,化学処理の場合のワーク投入量,処理条件,湯洗・水洗条件等を総合的に整理して解決する必要がある.
2つ目は,接着剤の濃度,塗布厚ばらつき,接着前処理時間・温度,塗布ガン目詰まり,接着圧力・時間・温度,である.仕掛かり時は温度が十分に上がっていないので温測して確認する.製品によってはガス抜き(条件変更)が必要な場合もあるので,製品形状が変更になった場合は接着状態を必ず確認する.また,熱プレスの温度変化も必ず確認する.
上記2例で不具合が発生するときは,①確認すべき事項が確認されていなかった ②確認すべき工程が現場担当者の経験に頼っていた(ベテラン経験者がたまたま不在であった)ことが多い.

