第21回不具合対応ブログ(フレッティング摩耗)

第7回で摩耗を取り上げたが,今回はその摩耗の中でもわかりにくいフレッティング摩耗について取り上げる.フレッティング摩耗が歴史的の注目を浴びたのはシベリア鉄道の貨車輸送時に自動車の車軸のベアリングが摩耗した件である.貨車輸送であるので動いていないベアリングが摩耗してしまうことは不可解であり,原因解明に時間を要した.結局原因は線路の継ぎ目のギャップで上下動の振動が発生し,シベリア鉄道が超長距離輸送で振動回数が多かったことによるものであった.これでもなぜ摩耗したかピンとこない方が多いのではないか.ベアリングが転がってもいないし,滑ってもいないのに摩耗するわけないと思うのではないでしょうか.実はベアリングの玉もしくはコロと相手面の間に弾性変形に伴う微小滑りが発生するため摩耗する.玉もしくはコロに荷重がかかると相手面が弾性変形し,接触面積が増加するに伴い微小滑りが発生する.貨車輸送時は同じ接触点に繰り返し荷重が加わることになりフレッティング摩耗が発生したというメカニズムである.ちなみにこの時特徴的な摩耗粉である第2酸化鉄:赤さびが発生する.摩耗粉が赤みを帯びていたらフレッティングを疑ってみる.  また,摩耗がすべりや転がり面に対して均一でない場合は,荷重が不均一に与えられている可能性があるのでフレッティング摩耗現象の可能性がある.上記は貨車輸送時の振動であったが,系に振動要素がある場合はフレッティング摩耗を発生させる部位が無いかチェックが必要である.ちなみにロケットの発射時は強烈な振動が発生するのでフレッティング摩耗で打ち上げ失敗の事例は多いようです.

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