第47回不具合対応ブログ(摩耗その4 表面に‘むしれ’有)
第7回不具合対応ブログで摩耗を取り上げた際,表面にむしれ(ピット)がある場合について少し触れた.今回はその原因と対策について取り上げる.
- 大きな‘むしれ’(ピット)
金属部品で,特にギヤの歯面によくみられる現象で,摩耗面に目視で明らかにピットがある場合は,金属表面に対する局所的な繰返し応力による疲労によってはく離,つまりピットが生じる.このはく離に至るには3つの種類があるが,はく離面を観察しただけではわからないので断面観察をする必要がある.ここで注意が必要なのは軸受部品では‘フレーキング’と,ギヤ部品では‘ピッチング’と慣習的に呼ぶが同じ現象である.
断面を見て表面付近のみはく離があれば「表面起点型はく離」であり,対策は表面粗さを小さくすることである.
断面を見て内部からクラックが生じていれば「内部起点型はく離」であり,対策は,応力緩和や材料強度アップ,材料の清浄度向上等がある.
断面に白色組織がみられる場合でかつ比較的短時間ではく離が生じた場合は「白色組織起点型はく離」である.水素が金属内部に侵入して発生すると考えられている.水素発生は潤滑油等から水素が分離することで生じると考えられている.対策は表面処理の変更が有効である.
- 小さな‘むしれ’(ピット)
金属表面が白っぽい,またはつや消し状になり摩耗している場合,顕微鏡等で拡大すると細かなピットが確認される. これをマイクロピッチングと呼ぶ.原因は応力が比較的高く,運転条件によって接触面温度が高くなることによって生じやすい.潤滑改善や応力緩和によって対策可能である.
(以下参考文献)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/transjsme/81/828/81_14-00687/_pdf/-char/ja

