第51回不具合対応ブログ(非鉄金属部品の焼付き・摩耗)
アルミや銅などの非鉄金属は鉄部品と異なる焼付きや摩耗の特性を持つ.筆者も様々な部品で経験してきたのでここに取り上げる.
① アルミ部品
AC4AやADC12等のアルミ合金で使われることが一般的である.鋳造で成形される場合は鋳巣が発生することがある,その鋳巣が摺動部である場合,摩耗や焼付きの起点となる.鋳巣を発生しないように成形条件を見直す必要がある.また,デンドライト組織の発生がある場合がある.非常に見つけにくく,液漏れやガス漏れが摩耗によって引き起こされたと対策を検討していく中,実はデンドライトが原因であったというケースもある.不具合品の断面を丹念に調査することが必要になる.鋳造の場合は冷却速度の見直し等で,ダイカストの場合は充填圧力を上げる等で対策する.
アルミ合金は耐摩耗性向上のためアルマイト処理が施される.硬くてもろいため相手材の摩耗促進,破片が三元摩耗の原因になるケースもある.対策は,出荷前にチェック,処理条件の見直し,処理ばらつき低減などがある.
② 銅部品
銅合金は優れた熱・電気伝導性や耐食性があり,加工しやすいので様々な用途に使われている.軸受部分にブッシュとしても長年使われており,用途によって材質の種類は非常に多い.過酷な部位に採用されることが多く,高温で少しの焼付きが発生してもそのまま使用継続できる,しかしその頻度が重なると限界になるので,振動が発生する等の兆候が見え始めたら交換する.また,異物毎埋収性があるので,異物が混入しやすい装置で使われる.しかし,耐摩耗性と埋収性は相反するので,耐摩耗材に変更したとたんトラブルになるケースがあるので気を付けたい.低コスト材においても,埋収性が悪くなる場合がある.
耐摩耗材としてMBA材が使われる部品がある.マニュアルトランスミッションのシンクロナイザーリングや産業機械用のギヤ部品等に採用されている.気を付けたいのは,安価なMBA材は成分が同じでも結晶構造が不十分で耐摩耗性が劣る可能性がある.十分性能を確認してから採用されたい.

