第48回不具合対応ブログ(摩耗その5 段付き摩耗)

異音や振動が発生して部品を分解したら段付きの摩耗が発生していた,と気づく場合がある.部品としては往復摺動している部品なのに,なぜ段付きの摩耗が発生してしまうのかというケースを多く経験した.以下に代表的な事例と対策を取り上げる.

  • 偏当たり

例えば水平往復部品で設計的には不均等な接触が無い場合で発生する.原因は往復運動する際には部品が若干傾くことによる.小さな部品で,簡単な部品と判断される場合に多く発生する.部品の角ヘリが相手部品と当たる設計(例えばピストンとシリンダーでピストンの角が相手部品と接触する可能性がある場合)では,速度ゼロか極低速から動き出す際,角部が当たる可能性がある.また速度ゼロ状態で動かないとされている場合も振動でフレッチング摩耗が発生し段付き摩耗になる.角部の角アールを大きくする,潤滑剤の粘度を上げる,相手材の硬度を上げるなどで対策できる.

  • 異物

比較的摺動距離が短い場合で,小さな摩耗粉や異物混入がある場合はその部分が研磨したように摩耗することがある.段付き摩耗部の粗さが小さいのことが特徴である. 摩耗粉なら排出溝をつける,異物なら異物混入を防ぐフィルターを追加するなどで対策できる.

  • 電食,腐食

 部品が金属同士の場合で,速度がゼロ付近になり,部品が金属接触する可能性がある場合発生しやすい.最近の部品の使われ方は電気が流れる状態も多いので,そこで電食が発生し段付き摩耗になる.また,使われる潤滑剤が分解してそこに水分が存在すると金属を溶かす成分が発生し腐食摩耗になる.若干変色を伴う段付き摩耗状態から判断する.潤滑油状態を分析すると腐食成分が検出される可能性があるが,局所的な腐食摩耗では分析検出不能となる場合もあるので注意されたい.電食の場合,電気の流れるルートを解明することは困難なので,樹脂等の不導体を間にかませるか,潤滑油粘度を上げることが考えられる,また潤滑油種類を変更するなどの対策を検討されたい.腐食の場合は水混入を防ぐ,潤滑油種類を変更する対策が考えられる.

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