第49回不具合対応ブログ(部品がバラバラに壊れた)
強烈な振動,異音によって緊急停止したユニットを分解してみたら,部品がバラバラになってしまい,どこから手を付けたらよいかわからない状態になっていた.そのような現場に出会うケースは少なからずあります.しかし原因を調査してもがよくわからなかったので部品を全交換して復旧したことはないでしょうか.以下に代表的な原因別に整理する.
- 潤滑油が変色し,異臭大(塑性流動破断)
この状態で部品がバラバラになっている.部品が高負荷状態,もしくは貧潤滑状態で使われ,焼付いて部品同士が固着してそこから亀裂が進展したのではないかと推定できる.ここで重要なのは他の要因が無いか,固着して亀裂が進展した部品の痕跡を丹念に調査することである.なぜなら②以降に掲げる可能性も排除できないからである.固着が原因の場合は油温推移,潤滑状態,潤滑油交換頻度などをチェックし潤滑状態の異常があればそこを対処する.潤滑状態に異常が無ければ,装置側の振動,部品の仕上げ精度,部品の交換時期と交換時の精度などを調査し原因を特定して対処する.
- 過負荷折損
機械のトルク異常で.部品に過負荷がかかった場合.破壊:折損の起点から亀裂が進展して部品が破損する.その場合折損の起点中心から放射状の模様が現れる.対策は過負荷になる運転条件の見直しである.
- 脆性破壊
負荷が大きくないのに急に部品がバラバラに壊れてしまった.このような状況で考えられる原因の一つに脆性破壊がある.原因はそもそも靭性が無い材料を使っていた,冬場で気温が低かった,溶接した部品だった等がある,破断面がキラキラしていることで,脆性破壊と判断される.対策は材料や表面処理条件を変更して靭性を上げる,溶接条件変更や溶接後の処理を追加する.
- 疲労破壊
比較的高い応力が繰り返し加わる部品で発生する.そこで発生するピッチング(第47回で取り上げた)が進展して破壊に至るケースもある.破断起点から波状に筋が現れることで断定されるが,浸炭処理等がされた部品であるとその筋がはっきりしない場合もあるので気を付けたい.その場合は運転条件から推定して判断する.対策は応力緩和,材料変更,表面処理条件変更であるが,油の影響もあるという報告もある(以下文献).
・福井, 藤田:フェライト系ステンレス鋼(SUS405)のころがり疲労強度に及ぼす潤滑油の粘度について著者:潤滑 1986


